なぜ勉強するのか(勉強の目的とは)
なぜ私たちは勉強をしないといけないのか。なぜ勉強するのか。
私たちが勉強をする目的は、受験合格ではありません。
このことを間違って捉えて勉強すると、たとえ受験で合格しても、その後の人生が上手くいきません。
「学び」は人生を豊かにする
そもそも、なぜ「勉強」をするのでしょうか。
「勉強」は「学び」の一種であり、「学び」は人生を豊かにしてくれるものです。「勉強」も例外ではありません。「勉強」はやればやるだけ人生をより良くしてくれるものです。
ただし、ここでいうところの「人生をより良くしてくれる」というのは、難関大学に合格できるとか、上場企業に就職できるとか、そういう話を意味しているわけではありません。つまり、いわゆる地位とか名誉といったタイトルの獲得を目的としているわけではないのです。
「勉強」が私たちに与えてくれるものは、平たくいえば心の豊かさのようなものです。学べば学ぶほどより物事を知り、思考がより深まり、さまざまな世界を捉えることができるようになり、結果寛容な心が持て、人生が豊かなように感じることができるようになります。
受験自体が人生を豊かにすることはありません
この過程の中において、受験というものは単なるの通過点に過ぎません。長く続く人生を考えたとき、受験は決して人生のターニングポイントになるようなものではなく、ちょっとしたイベント程度のようなものです。
間違っても、受験自体が人生を豊かにしてくれるということはありません。「〇〇大学に入学できれば、人生は順風満帆なのだ!」といった考え方は勘違いであり、完全に間違った考え方です。
× 勉強する ⇒ 難関校に合格 ⇒ 人生最高! |
受験の成功は人生の成功とはなんら関係はなく、先の人生を保障してくれるものでは決してないのです!
なぜ受験をするのか
では、受験は何のためにあるのでしょうか。
答えはきちんと存在しています。ただ、多くの人が望むような答えではないのが心苦しくはあります。
私たちが受験をする理由は、学校の募集人数よりも入学希望者数が上回るからです。仮に入学希望者数が下回れば、試験は形骸化し、私たちは試験を受けに行きさえすれば良いだけになります。もしくは試験自体が取っ払われるかもしれません。いわゆる「受験」というものは消えてなくなる可能性があるでしょう。
では、なぜ入学希望者が殺到することになるのでしょうか。入学希望者が殺到しなければ熾烈な戦いを繰り広げる必要はないはずです。
✓ なぞな循環
不思議に感じるかもしれませんが、入学希望者が殺到する仕組みは学校側が作っているわけではありません。学校側ではなく、生徒側が「この学校に入学したい」と強く想うがゆえに殺到することになります。つまり、作っているのは生徒側なのです。
皆が行きたいと思えば思うほど、その学校には入学希望者が殺到し、難化することになります。そしてその結果、その学校への入学が困難になり、その学校の偏差値が高くなります。
そして、生物における生存本能からなのか私たちは少なからず競争心を持っています。なぜか偏差値というものは私たちの競争心を煽るようで、偏差値の高い学校を目指すことが強いられます。
行きたい ⇒ 殺到 ⇒ 難化 ⇒ 偏差値UP ⇒ 競争心が煽られる ⇒ さらに行きたい |
少し愚痴にもなるのですが、競争心が煽られ、殺到し、偏差値があがり、さらに白熱化することでより競争心が煽られて、という謎な循環が受験の世界です。
ここだけの話、学習塾を経営している側からすると大変喜ばしいことなのかもしれませんが、いつになったら我に返るのかというのが本心ではあります。
話を戻しましょう!
✓ 皆が行きたがるところは桃源郷なの?
少し話を単純化したために「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話に聞こえなくもないですが、偏差値の高い学校は、その学校に入学すると人生が幸せになるから偏差値が高いわけではないのです。受験の仕組み上、皆が行きたがるから偏差値が高くなっているだけです。
難関学校に合格すると人生は豊かになるという考え方は、皆が行きたがるところにいけば人生が豊かになるという考えとほぼ同義になります。このように考えてみると、受験について確かに少し考え直すべきかもと思わないでしょうか。
受験で大切にしたいこと
私自身、受験自体を否定しているわけではありません。受験は人生にとって大切なものだと考えており、受験に向かって生徒たちと真剣に取り組んでいます。
ただ、受験を神格化して「受験の成功=人生の成功」と考え、受験の成功のためだけに子どもに勉強する、受験の成功のためだけに塾に通うというのをやめて欲しいのです。
入学しさえすれば人生が開けるという学校なんて存在しませんし、そのためだけに勉強をするのだという考えは誤っています。
× 勉強する ⇒ ○○学校に合格 ⇒ 人生最高! ○ 勉強する ⇒ 人生がより豊かになる |
正しくは、勉強自体が人生を豊かにするものであり、逆に「人生を豊かにしてくれる勉強とは何なのか」と考えて、これだと思うことを勉強することが重要なのです。
受験は、その勉強をしているプロセス上にあるイベントであり、単なる通過点なのです。どの学校に受かって通うことになったとしても、自身が満足して楽しく通い、その中で切磋琢磨してくれれば、それが最高なのです。
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