受験生の勉強時間はどれくらい
よく聞かれることですが、受験生の勉強時間はどれくらいが適正なのでしょうか。
巷には「12時間だ」とか多い人だと「15時間だ」と答える指導者がいますが、これは大きな間違いです。断言できますが、そう答える人は自身が本気で勉強したことがない人か、感覚的にこれくらいだろうと言っている人です。
結論からいうと、1日10時間の勉強時間が作れているならば、時間としては十分だと言えます。
理由は次のとおりです。
勉強時間とは
まず、勉強時間というのは、その日の勉強開始時刻と終了時刻の差ではありません。午前8時~午後6時までの10時間と言っているわけではないのです。正味の集中して机に向かっている時間です。
つまり、集中して勉強した時間の合計が1日10時間だということなのです。
意外に少ないと思うかもしれませんが、試しに机に向かい始めた時刻と休憩を入れた時刻を常にメモして、その日の勉強が終了したときに1日の正味の勉強時間を合計してみてください。
ほとんどの人は10時間に達することはないはずです。多くの生徒にこの作業をしてもらっていた時期があるのですが、国公立医学部に受かるかどうかのボーダーが1日10時間といったレベルです。
いってしまえば、1日10時間やっているなら、時間としては十分だと言えることになります。1日10時間しているのに成績に反映されないなら、原因は勉強時間ではなく勉強の仕方だと考えるべきでしょう。
1日10時間を超えると非効率
1日10時間は少なすぎるでしょうと思う方が多いのは確かです。受験生なんだし、休憩多すぎるんじゃないのと。正直にいうと、これは実際にやったことがない人か、きちんと時間を確認していない人の単なる勘違いです。実際にやってみるとそれ以上はできません。
できない理由は、受験は長期決戦だからです。1日だけの勉強でいいなら15時間くらいはできるかもしれません。けれども、15時間すると次の日は朝起きることができず、2日目にして破綻してしまいます。たとえ数日間ほど気合いで15時間できたとしても、無理をするほどあとでツケが回ってきてしまうのです。
心と体を健全な状態に保ちつつ、持続できる時間が最高で1日10時間ということなのです。長い目で見たら、これが一番効率的でトータル勉強時間が最大になるというわけなのです。
休憩時間が大切なのです
本気で集中して物事に取り組んだことがあれば感覚的に分かることですが、どのような物事でも休憩をいれずに集中して5時間も6時間も取り組み続けることは不可能なのです。どれほど集中力があっても、3時間ぶっ通しで集中するとものすごい疲労感に苛まれます。
もし5時間でも6時間でもずっと机に向かえるよという人がいたら、それは集中せずにのんびりやっているだけです。これではただ時間が浪費されているだけで、効率的だとは言えません。椅子に座ってただ手を動かしているだけではなく、頭をフル稼働させないといけません。
頭をフル稼働させて勉強すると連続稼働時間はおよそ3時間が限界です。そして、その後に最低でも1時間ほどの休憩が必要になります。このとき仮に10分ほどの休憩で机に向かってしまうと、あまり集中することが出来ずものの40~50分ほどでまた休憩を入れざるを得なくなります。これでは非効率すぎるので、きちんと休憩を取ることになるわけです。
このような理由から、1日の勉強の流れは次のようになります。
1日の勉強時間 3時間 → 休憩 → 2時間半 → 休憩 → 2時間半 → 休憩 → 2時間 |
まず最初に3時間勉強し、そこから休憩が入ります。休憩しても完璧に集中力が回復するわけではないので次の勉強時間は2時間半くらいになります。そしてまた休憩が入ってさらに2時間~2時間半といった感じになります。最後の休憩後に2時間ほどやって、これで1日が終了です。結果、がんばって10時間くらいなのです。試験本番1か月前とかだともうちょっと集中できるかもしれませんが、普段だとこれが限界になります。
まとめ
1日24時間なので、「受験生なんだから15時間くらいは勉強しないと!」という人がいますが、そんなことは誰にもできません。頭をフル稼働させて集中して取り組んでいる人ほど、そんなことは不可能だと思うはずで、それが正しいのです。
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