【勉強】「分からない」という表現
勉強を生徒に教えていると「分からない」という表現をよく耳にします。
学習塾なので当然といえば当然のことなのかもしれませんが、たまに疑問に感じることがあります。
それは「分からない」以前の問題です!
例えば、小学生に「速さ」の授業をしているとき、次のようなやりとりがあります。
問題 分速360 mは時速何 kmですか。 |
生徒「この問題、苦手。先生、これって『×60』するんだっけ?『÷60』なんだっけ?」
私「問題の意味を理解して、考えてみようよ。」
生徒「……。考えても、あんまり分からないです。」
驚愕の事実かもしれませんが、授業ではよくある問答です。
これは「わかる」「わからない」以前の問題です。なぜなら、そもそも思考がゼロだからです。
まずは思考しないと…
このままでは学びにならないので、思考の手引きをしていきます。
私「分からないというのは、360 m×60にするか、360 m÷60にするか分からないってこと?」
生徒「そう!」
私「じゃあ、悩んでいることを整理していってみるけど、360 m×60ってどんな計算をしていることになるの?イメージできる?」
生徒がノートに絵を描いてくれます。360 mが何個もつらなる線分図を描き始めます。
私「オッケー。60個描くと大変だからストップにしよう。『×60』は60倍っていう意味だから360 mが60個分ってことですよね。では、360 m÷60はどういう意味なの?」
次に生徒は、360 mを60分割する絵を描いてくれます。速さは5年生の単元ですが、5、6年生には難しくないものです。
私「そうやね。『÷60』は60個に分けるんだからそんなイメージになるよね。それで、○○くんはこの2つのどっちが正しいのか分からないってこと?」
生徒「あっ、そっか。じゃあ、『×60』だ。」
私「ですよね。『×60』と『÷60』を悩むってそもそもおかしくない?そんなに似てる計算なの?」
生徒「いや、全然違う…。」
私「『×60』か『÷60』かが『分からない』ってことはないでしょう。まずはきちんと考えましょう!」
「分からない」というのは思考した結果のはずであって、思考なしで「分からない」は少し変ですよね。
ちなみに原因は
ちなみに、このような状況になる原因は最初に学んだ内容が次のようになっているのでしょう。
分速を時速に変えるときには×60。
時速を分速に変えるときには÷60。 みなさん、わかりましたか? |
これで、子どもたちは「わからない!」となるわけですね。そもそも、この公式のようなものを丸暗記して問題が解けても、学びとして得ているものがありません。
まとめ
子どもが「分からない」と言うとき、「考えた末にやはり分からない」というものでないことが目立ちます。まずは問題文で問われていることを理解して、そして絵などを描いてみて考えることをしましょう。
そうすると、勉強というものはそれほど難しいものではないのではと思います。
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