【思考力を鍛える#1】思考に必要なのは4つの能力
*何回かに渡って、「思考力を鍛える方法」について説明したいと思います。
最近流行っている「思考力」という言葉、火付け役は共通テストでしょうか。世の中では「思考力は大切」「思考力を養おう」みたいな感じになっているようで、「うちの子は思考力がなくて」とか「思考力はどうやってつければいいのですか」といったことをよく耳にします。
しかし、「思考力」という言葉はよく聞くわりに、それがどういったものなのかは非常にあやふやになっています。「思考力って何ですか?」と聞いて返ってくる言葉は「考える力のことでは?」といった感じなのですが、果たしてこれは正しいのでしょうか。
求めている「思考力」とは
*この章の内容は少しややこしくなっています。読みにくい場合、次の章『欲しいのは「答えを導く力」』に進んでもらって問題ありません。
思考力というと、みなさんは「腕を組んで考える能力」というようなものをイメージすると思います。思考とは、文字通り思ったり考えたりすることであり、広辞苑にも
- 思考 … 思いめぐらすこと。考え。
と載っていて国語的には正しいイメージだと言えます。
そしてこのイメージに則って、「思考力」というものについてアプローチしていくことになります。「もっと考えよう」「考えることは大切だ」みたいな感じで取り組んでいこうとするわけです。
けれども、これは決まって上手くいきません。考えるといったものの、どうやって考えたらいいのか分からないからです。そして、思考力を鍛えていこうという目標は潰えてしまい、「思考することができない」となるわけです。
✓ 求めている力は「思考力」とは違う
そもそも、頭の中に言葉が出てきている時点で広い意味では何かしら思考していると言え、そういう意味では人は常に思考しているわけです。なので、改めて「考えよう」と言われてもどうしたらいいのかわかりません。ですし、常に思考しているので日に日に思考力が高まっていないといけないのですがそんな気も全くしません。
なぜこのような状況の陥るのでしょうか。実は、原因は「思考力がない」「思考力が欲しい」「思考力を養いたい」というときの「思考力」という言葉が意味しているものと、国語的な思考力という言葉の意味がズレているからです。
つまり、辞書的な意味としては思考力とはたしかに考える力のことなのですが、みなさんが普段使っていて求めている「思考力」というものは考える力のことではないのです。
欲しいのは「答えを導く力」
皆さんが必要としているのは、実は思考力ではなく「答えを導く力」です。思考しないと解けない問題の答えを導き出す力が欲しいわけです。
そして「答えを導く」ためには次の4つの能力が必要になります。
- 情報把握力
- 知識
- 思考力
- 表現力
それぞれの能力の説明は次の記事でしたいと思いますが、思考力は「答えを導く力」のうちの1つでしかなく、思考を必要する問題を解くためにはこの4つの能力をすべて鍛えていかなければなりません。
まとめ
思考力とは確かに考える力のことですが、皆さんが手に入れたい「思考力」とは4つの力「情報把握力」「知識」「思考力」「表現力」が密接にかかわって出来上がっている「答えを導く力」のことなのです。
「思考力」を鍛えたいならば、この4つの力を鍛えていこうすることが正解の道になるというわけです。
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