【僕が実践している】子どもの思考力を確実に鍛える方法「絵を描いて解く」

query_builder 2020/03/30
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もっと考えられるようになって欲しい!

子どもの勉強、特に算数を見ていると、割と感じることだと思います。でも、そのときに「もっと考えなさい」といったところで、全く解決はしません。

また、時間を割いて「こうやって考えたら、わかるでしょう」と具体的に解き方を教えても、「なるほど!」と返事をするだけで考えられるようになっている気はしません。

事実、同じような問題に出会っても、やはり前回と同じく解けないわけです。

このような状況は、保護者の方からの悩みとしてよく相談を受けます。

もちろん、学習塾としてお子様を預かれば、適切な指導によって思考できるようにしていけます。けれども、これにはプロ講師の妙技が必要不可欠だというわけではないのです。

ここでは、20年以上も子どもの思考力を養ってきた中で作り上げてきたもののうち、家庭でも実践してもらいやすい方法を一つ、説明したいと思います。

この記事の内容

思考力を鍛える「絵を描いて解く」

思考とは頭の中ではなく、紙の上で行うものです。

このことについて、詳しくはこちらにまとめています。

ノートに考えていることを書いていくことで思考は進んでいきます。そのため、ノートの上で考えることを練習していきたいのですが、そこでおすすめしたいのが「絵を描いて解く」方法です

この方法には3つのメリットがあります。

「絵を描いて解く」ことのメリット(3つ)

  • 問題をきちんと把握できる
  • 思考の前準備になる
  • 情報整理能力がつく

絵といっても絵画的なものではなく、ここでは図やグラフ、表などを総称して「絵」と言っています。

問題文の絵を描くことで、問題文に書かれた状況を正確に把握し(問題把握)、その絵を元にスムーズに思考を進めていくことができます。つまり、思考するための前準備が出来上がるのです。

それに加えて、「絵を描く」という行為を繰り返すことで、情報の整理能力が向上していきます。問題文から必要な情報の取捨選択をして、それをより分かりやすく図や表などにして整理できるようになっていくわけです。

実際にやってみるとわかりますが、情報整理能力が向上すると、圧倒的に思考することができるようになっていきます。「思考力を鍛える」上ではもってこいの手法というわけです。是非、実践していただきたいと思っています。

実践するにあたっての具体的な方法は、次のとおりです。

問題文に書かれている内容を絵にする

子どもに突然「では絵を描いて考えてみよう」と言っても、手を動かしてもらうことはできません。これでは何を書いたらいいのか分からないからです。

まず実践するのは、「問題文に書かれている内容を絵にしてみる」というものです。このときの大切なポイントは次のとおりです。

「問題文の絵を描く」大切なポイント

  • 1.問題文を読みながら絵を描く
  • 2.問題文の数値や情報はすべて書き入れる
  • 3.絵はどんなものでもOK(絵に決まりはない)

1.問題文を読みながら絵を描く

問題文の絵を描くときに最も大切なことは「読みながら描く」ということです。

問題文を読みながら描く
問題文を読み終わってから描く

問題文を読み終わってから絵を描こうとすると、実は描けません。なぜなら読んでいる途中で問題把握ができなくなるからです。特に問題文が長く難しくなると、そのような傾向が見られます。

なぜ問題文の絵を描くのか

実はこの「問題文の絵を描く」というのは、問題文を読んでいるときに頭の中に自然と出来上がっていくイメージをノートにかいていく作業です。ただ、それをわざわざ頭の中ではなくノートにかいていくのは、正確に理解しながら読んで欲しいためです。

問題文の話を始めから丁寧に絵にして整理していくことで、より話の内容を把握してもらうわけです。それを「読み終わってから描く」というルールにしてしまうと、話の途中からイメージが追い付かなくなり、結果的に「わからない」「描けない」といわれてしまいます。

絵を描き始めてもらうためのコツ

コツは、問題文を読みながら、徐々に絵を描いていってもらうことです。

具体的には次のような感じです。例えば、次のような問題文があるとしましょう。

【問題文】
兄と弟が同時に家を出発し、歩いて駅に向かいました。出発してから21分後に弟は兄に105mはなされてしまったので、速さを変えて、兄を追いかけることにしました。1分あたりの速さを20m増やしたところ、兄が駅に着いたとき、弟は駅の手前60mのところにいました。兄は時速5.1kmで歩いていたとすると、家から駅までの道のりは何mですか。

読んでいる途中から話がややこしくなり、字面を読んでいるだけになります。つまり、イメージがぼやけていってしまいます。そのイメージを鮮明にするためにノートに絵を描いていきます。

上の問題文の場合、次のように文を切って、描いていってもらいます。

問題文の切り方(例)

兄と弟が同時に家を出発し、歩いて駅に向かいました。
出発してから21分後に弟は兄に105mはなされてしまったので、
速さを変えて、兄を追いかけることにしました。
1分あたりの速さを20m増やしたところ、
兄が駅に着いたとき、弟は駅の手前60mのところにいました。
兄は時速5.1kmで歩いていたとすると、
家から駅までの道のりは何mですか。

切り方にルールはありませんが、うまく描けないほど、文をより細かく切る必要があります。

僕は問題文を音読してもらい、切れ目のところで音読を遮って、そこまでの絵を描かせています。

ちなみに、小学5年生の絵はこんな感じでした。絵が上手に描けると断然解きやすくなりますね!

2.問題文の数値や情報はすべて書き入れる

問題文に出てきた数値や情報はすべて絵の中に書き込まなければいけません。省略は禁止です。理由は、絵を描いた後の思考はノートの上で行うことになり、問題文を見なくなるためです。

問題が簡単であれば困らないのですが、難しくなると省略は仇になります。なぜなら、解くのに時間がかかると、問題文に書かれていた内容が記憶から消えていくからです。

きちんとノートの絵に数値や情報を書き込んでおかないと、時間が経つにつれて忘れてしまって解けなくなる。

「問題文をノートに写し取る」という勉強法もあるのですが、それはこのことを解決する方法になっています。ただ、ここでは写すだけでは芸がないので、整理という作業を加えて「絵」にしているといった感じです。

3.絵はどんなものでもOK(絵に決まりはない)

当然、絵は分かりやすいものがベストなのですが、それは練習を重ねていくことによって洗練されていくものです。最初からすばらしい絵は描けません。

「すばらしく分かりやすい絵」を描こうとして手が止まってしまったら本末転倒です。最初は特にどんな絵でもよいので、楽しく描くことを優先しましょう。

例えば「リンゴが20個あります」という話があったとしましょう。往々にして子どもはめっちゃ丁寧にリンゴの絵を描き始めます。でも、それを遮ってはいけません。待ってあげてください!間違っても、絵にダメ出しをしてはいけません。

絵の検討は解き終わってから

ただ、具体的な絵よりも、より抽象的な絵の方が汎用性は高まります。そして、思考する上で抽象化できるようになっていくことも大切です。けれども、それを促すのは問題が解き終わってからです。

解き終わった後の検討で「こんな絵も分かりやすいよ」といった感じで見せてあげればよいでしょう。急には変わりませんが、そうすることで徐々に絵は洗練されていきます。絵が洗練されてくると、思考できるようになっていきます。

先ほどのリンゴの場合だと、リンゴの絵を丸にしたり、「〇×20こ」とか線分図にしたりといった感じでしょうか。

こちらでも具体的に絵を描く方法を説明しています

求まった値を絵に書き入れる

問題文の絵が完成したら、次は設問を解いていくことになります。「思考」の始まりはここからです。

描いた絵を見ながら考えていくわけですが、そこで分かったことや計算で求まったことをさらに絵の中に書き込んでいきます。

ここで、計算式もきちんと書いていってほしいのですが、式は書いてくれても、その答えを絵に書き込まないことが割とよくあります。これだと、やはり難しい問題は解き切ることができません。

絵を描き直す場合も

また、作った絵では解けない場合もあります。これはなかなか難しい点なのですが、「この絵では解くのが厳しそうだ」と判断される場合は絵を描き直すことになります

よくある状況としては、絵が2つ以上になってしまっている場合、その2つの絵の関係が重要になります。2つの絵の関係が分かるように描かれていなければ、解くことは困難です。

例えば、線分図を描く場合、2つの線分図を横に並べてしまうと、関係性を表すことができません。逆に横ではなく縦に2つ並べれば、2つの関係性が分かるように描くことが可能です。

このような場合、ちょっと解いているのを遮って、絵を描き直すことを促します。

実際にこのように指導するにはある程度の経験が必要かもしれませんが、問題が解けるかどうかは絵の出来に大きくかかわっていることを知っておいてもらえればと思います

絵の中に求まった値が書きこめない場合

求まった値が絵の中に書き込めない時、多くの場合はその値が何を表しているのかが正しく理解できていないことが原因になっています。

このとき、僕が使っている解決法は2つです。

  • 方法1. 単位意味するものを聞く
  • 方法2. 始めから説明してもらう

次に説明するような感じで考えていることを整理し、絵の中に数値を書き込んでいきます。

方法1.単位と意味するものを聞く

まず、求まっている数値の「単位」を聞きます。ついでに書いてもらっても構いません。

「単位」を適切に答えられたならば、次に「意味するもの」を聞きます。

「意味するもの」とは、例えば、単位がcmだとしたら長さのことで「それはどこの長さを表しているの?」と聞きます。cm2ならば、どこの広さ(面積)なのかを聞くわけです。

答えに窮するようでしたら、その値を求めた式に話を移します。式で用いた値に対して、同じく単位と意味するものを聞いていきます。

これは、本来は自分で行わなければいけない必然の思考です。その必然の思考を声掛けによって促しているといった感じです。何度も繰り返すことで、自然と自分で行っていけるようになっていきます。

方法2.始めから説明してもらう

状況によっては、順に何を求めっていったのかを説明してもらいます。

「まず、…」「次に、…」「そして、…」といった言葉で合いの手を入れながら、求めていった順に説明をすることを促していきます。

式を書いていない場合は式も書かせて、単位も書いていってもらいます。そして、絵の中にもその数値を書いていきます。

まとめ

この「絵を描いて解く」という方法は、思考するきっかけになり、また、洗練していくことで思考力が高まっていく、つまり思考力が鍛えられていく勉強法です。

絵を描く分、解くのに時間がかかっていると感じるかもしれませんが、デメリットはありません。是非、ご家庭の指導時に実践してもらえれば幸いです。

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