【国語を論理的に思考】文章を読解するとき、論理の把握は必要不可欠です

query_builder 2020/06/24
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国語は成績が上げにくいというイメージがあるかもしれません。塾に通っても、問題集をひたすら解いても、一向に解けるようにはならないというのはよく聞く話です。でも、どうしたら良いのでしょうか。

実は、国語は正しく勉強すれば必ず成績が上がります。大切にするべきことは国語の論理性と語彙力です。今回は、国語における論理についてのお話です。

国語という教科は、わりと論理的でないと思われがちですが、実は論理の塊なのです。ゆえに、論理的に思考していくことは、国語の問題を確実に解けるようになるためには必要不可欠だといえます。

ここでは、4つの重要なロジックについてお話しようと思います。
(6000字ほどあり少し長めです)

この記事の内容

国語は論理的な世界

そもそも、筆者が文章を書くのは、読者に何かしら伝えたいことがあるからです。

さらに本当のことをいうと、1つの文章の中に筆者の伝えたいことは1つしか入っていません。「えっ、嘘!」と思うかもしれませんが、どれだけ長い文章であっても、筆者の主張は1つなのです。もし2つ以上入っているなら、それは悪文という扱いです。国語の問題で引用されることはまずありません。

でも、めちゃくちゃ長い文章とかあります。なぜ、あんなにつらつらと文章が書かれているのでしょうか。

実は、
文章の大半は、読者に自分の考えを納得してもらうための説明なのです。

このとき、大切なポイントは、筆者は読者に納得してもらうために論理的に話をしているという点です。筆者が意図的にそうしているかどうかはともかく、論理を用いることなく書かれることはありません。

「感情に訴えられたら、きっと読むに堪えないでしょうね。」

「イイタイコト」の把握は最重要事項

社会で生きていく以上、書き手や話し手の「イイタイコト」を正確に把握することは不可欠なことです。

家族や知人とのコミュニケーションはもちろんのこと、講義を受けるにも、交渉をするにしても、想い人と他愛もない話をするにしても、半分は聞き手側になるわけです。相手のイイタイコトを正しく把握できないときっと困ります。

国語の問題を解くときも

国語の問題を解くにしても、筆者のイイタイコトを読み取ることは必須です。なぜなら、一言でいうと、国語の問題は筆者の主張を正確に読み取ることができたかどうかをチェックしているからです。

ある意味、筆者のイイタイコトを完璧に読み取れているなら、国語のテストは満点です。

このように考えると

「筆者の主張を把握すること」は最重要事項だ

ということが分かると思います。では、どのようにして主張を把握するのでしょうか。

どうやってイイタイコトを読み取る?

結論から言うと、筆者のイイタイコトを読み取るには、筆者の用いている論理を把握することがもっとも効果的です。

筆者が論理的に主張してくる以上、読む側もその論理を把握し、筆者の言っていることを理解しようとするのは悪くない戦略でしょう。

事実、
仮に筆者の用いる論理をあらかじめ知っていれば、圧倒的に楽に筆者の考えを読み取ることができます。

筆者はさまざまなロジック(論理)を用いて、自分の意見を納得してもらおうとします。ここでは特に重要な4つのロジックを紹介します。

読解に役立つ:重要な4つのロジック

  • ロジック① 事実と意見
  • ロジック② 抽象と具体
  • ロジック③ 譲歩 ⇒ 逆接 ⇒ 主張
  • ロジック④ 二項対立

ロジック① 事実と意見

文章を読みながら常に意識していることは「筆者の主張はどこにあるのか」で、最も大切にしているロジックは「事実と意見」です。
*少し細かいことですが、この「事実と意見」は、「客観と主観」とは別物です。

説明的な文章の場合、文章を構成しているすべての文を「事実」と「意見」に分けることができます。(もちろん、意見と事実が混ざった1文もあります)

この中で重要なのは「意見」です。例えば、次の例文を見てみます。

(前略)
 ところで、学校の生徒は、先生と教科書にひっぱられて勉強する。自学自習ということばこそあるけれども、独力で知識を得るのではない。いわばグライダーのようなものだ。自力で飛び上がることはできない。

 グライダーと飛行機は遠くからみると、似ている。空を飛ぶのも同じで、グライダーが音もなく優雅に滑空しているさまは、飛行機よりむしろ美しいぐらいだ。ただ、悲しいかな、自力で飛ぶことはできない。

 学校はグライダー人間の訓練所である。飛行機人間はつくらない。グライダーの練習に、エンジンのついた飛行機などがまじっていては迷惑する。危険だ。学校では、ひっぱられるままに、どこへでもついて行く従順さが尊重される。勝手に飛び上がったりするのは規律違反。たちまちチェックされる。やがてそれぞれにグライダーらしく卒業する。
『思考の整理学(外山滋比古)』から抜粋

難しいことは書かれていません。けれども単に読むだけでは、筆者の言いたいことはぼんやりと分かるような、分からないような感じです。

次にこの文章の「意見」の部分にチェックをいれてみます。これでもう一度読んでみてください。

 ところで、学校の生徒は、先生と教科書にひっぱられて勉強する。自学自習ということばこそあるけれども、独力で知識を得るのではない。いわばグライダーのようなものだ。自力で飛び上がることはできない。

 グライダーと飛行機は遠くからみると、似ている。空を飛ぶのも同じで、グライダーが音もなく優雅に滑空しているさまは、飛行機よりむしろ美しいぐらいだ。ただ、悲しいかな、自力で飛ぶことはできない。

 学校はグライダー人間の訓練所である。飛行機人間はつくらない。グライダーの練習に、エンジンのついた飛行機などがまじっていては迷惑する。危険だ。学校では、ひっぱられるままに、どこへでもついて行く従順さが尊重される。勝手に飛び上がったりするのは規律違反。たちまちチェックされる。やがてそれぞれにグライダーらしく卒業する。

さきほどと比べて、筆者のイイタイコトがはっきりとします。要約すると、

筆者の主張
学校とは、自力で飛ぶことができないグライダーのような人間をつくる訓練所なのだ。

そして、「意見」以外の部分、つまり「事実」の中に、この筆者の考えを支えている根拠を見て取ることができます

主張の根拠
・学校の生徒は、先生と教科書にひっぱられて勉強する。
・自学自習ということばこそあるけれども、独力で知識を得るのではない。
・自力で飛ぶことはできない。
・学校では、ひっぱられるままに、どこへでもついて行く従順さが尊重される。
・勝手に飛び上がったりするのは規律違反。

どうでしょうか。「事実」と「意見」を読み分けるだけでも、かなり読みやすくなると感じると思います。

英語にも事実factと意見opinionはある

ちなみに余談ですが、大学入学共通テストの英語では次のような問題を出題するようです。

大学入学共通テスト 平成30年度試行調査の問題から抜粋

この問題には資料(the websiteにあたるもの)があるのですが、それを全く見ることもなく2択まで絞れるようになっています。
これが英語のテストと言えるのかどうかは謎ですが!

【解説】
問4は③perfectと④deliciousは意見なのでです。
問5は①と④は明らかに事実ですのでです。
*ちなみにdeliciousにveryを付けることは基本的にできません!

この問題に限らず、英文を読解する上でも、「事実と意見」による論理的な読み分けは極めて有効です。

ロジック② 抽象と具体

次に、「抽象と具体」についてです。
これは文章を「事実」と「意見」に分けていくためのひとつの目安に使えます。

「つまり」と「たとえば」

簡潔に言うと、「抽象」というのは「つまり」の世界です。そして、「具体」は「たとえば」の世界です。

「つまり」という言葉があれば、その後ろは抽象的な話になります。

具体 ⇒ つまり ⇒ 抽象
具体:イヌは~。ネコも~。クジラでさえ~。
抽象つまり、ほ乳類は、~なのである。

逆に「たとえば」という言葉があれば、その後ろは具体的な話になります。

抽象 ⇒ たとえば ⇒ 具体
抽象:ほ乳類は、~である。
具体たとえば、イヌは~。ネコも~。クジラでさえ~。

いずれの場合も、「抽象」の部分が筆者の主張(意見)になっています。「具体」は意見を補完するための例え話にしかなっていません。

  • 抽象」の部分は「意見」= 筆者の主張
  • 具体」の部分は「事実」= 主張の根拠

これは文章を論理的に読み解くのに随分と役立ちます。イヌについての話が何段落も続いたとしても、そこに主張はなく、筆者はイヌの話をしたいわけではないことが容易に分かります。別にサルでもキジでもよかったけど、イヌの話にしただけなんですね。

文章を「事実と意見」に分けていくのはわりと難しいのですが、この「抽象と具体」はそれほど困らずできます。

「つまり」に類する言葉が出てきたら
その下は「抽象」部分なので筆者の「意見」が書かれているので、線を引く。
「たとえば」に類する言葉が出てきたら
その下は「具体」部分で主張は含まれていないので括弧でくくって除外する。

これをするだけでも、文章は格段に読みやすくなり、筆者の主張がどこにあるかが見えてくるようになります。

ロジック③ 譲歩 ⇒ 逆接 ⇒ 主張

3つ目は「譲歩 ⇒ 逆接 ⇒ 主張」と3つでセットになっている論法についてです。これは必ず理解する必要があります。

なぜなら、「譲歩」の部分は一般論であり、筆者の主張とは対立する考えが書かれていることがあるためです。このことを把握しておかないと、文章中に書かれているからといって誤った答えを選ぶ(書く)ことになります。

そもそも譲歩って?

譲歩というのは、日常でもよく用いられていて、話し相手との対立を避け、自分の意見に耳を傾けてもらうのに有効な手法です。

例えば、次の2つの文を見比べてみてください。

①「もうちょっとこの部分を改善できると良いですね。」
②「確かに〇〇さんがよく勉強しているのはわかるよ。でも、もうちょっとこの部分を改善できると良いですね。」

①は、譲歩することなく、率直に自分の考えを述べています。お互いの関係性や口調によっては反発されてしまうかもしれません。

②は、「確かに〇〇さんがよく勉強しているのはわかるよ。」と譲歩してから、自分の考えを述べています。一歩譲って、相手側に賛同する様子を見せるわけです。全面対立するつもりではありませんよという意志表明をしているとも言えます。

譲歩というのは部分的な賛同です。全面的な賛同ではないのですが、自分のことが少しわかってもらえたという気分になってもらうには十分。なので、素直に話に耳を傾けてもらえるようになるわけです。

どうやって譲歩を見つけるの?

譲歩が使われているのが判断できるのは、逆接の言葉のおかげです。

譲歩:確かに〇〇さんがよく勉強しているのはわかるよ。(ちょっと嘘?)
逆接でも
主張:もうちょっとこの部分を改善できると良いですね。

譲歩の後ろには必ず逆接の言葉があります。なので、文章を読んでいるとき、逆接の言葉に気を付けます。

逆接の言葉
・しかし、だが、けれども、だけど、でも、
・~だが、~

逆接の言葉が出てきたら要注意。逆接の後ろは主張なので、チェックします。逆接の前は本心ではないかもと疑います。

「君は頭が良いな。でも、…」と言われると、「でも」の後ろが相手の主張です。「君は頭が良いな」という言葉は本心っぽくないですよね。

ロジック④ 二項対立

最後のロジックは「二項対立」です。

筆者は読者に納得してもらうために、話を明瞭にしようとします。そのため、「自分の意見」と「対立する意見」の2つを対比させて話を進めていきます。さまざまな意見を同時に持ち出してきたりはしません。3つも4つも意見があると話がややこしくなるからです。

さきほどの「グライダー」の文をもう一度見てみましょう。(全く同じ文章です)

 ところで、学校の生徒は、先生と教科書にひっぱられて勉強する。自学自習ということばこそあるけれども、独力で知識を得るのではない。いわばグライダーのようなものだ。自力で飛び上がることはできない。

 グライダーと飛行機は遠くからみると、似ている。空を飛ぶのも同じで、グライダーが音もなく優雅に滑空しているさまは、飛行機よりむしろ美しいぐらいだ。ただ、悲しいかな、自力で飛ぶことはできない。

 学校はグライダー人間の訓練所である。飛行機人間はつくらない。グライダーの練習に、エンジンのついた飛行機などがまじっていては迷惑する。危険だ。学校では、ひっぱられるままに、どこへでもついて行く従順さが尊重される。勝手に飛び上がったりするのは規律違反。たちまちチェックされる。やがてそれぞれにグライダーらしく卒業する。

この文はグライダー人間と飛行機人間を対立させて書かれています。2つの意見を整理をしてみると

対立する意見 筆者の意見
学校の生徒
先生と教科書にひっぱられての勉強
独力で知識を得ない
自力で飛び上がれない
自力で飛べない
学校で訓練される
学校
グライダー人間 飛行機人間
従順 規律違反

本文だけから得られる情報は上記のようになりますが、ここから空いているマスを埋めると次のようになります。

対立する意見 筆者の意見
学校の生徒
先生と教科書にひっぱられての勉強
独力で知識を得ない
自分で自由に飛んでいく方向を決めて勉強
自力で飛び上がれない
自力で飛べない
自分で飛び上がれる
自分で飛べる
学校で訓練される
学校
学校では訓練されない
学校でない場所
グライダー人間 飛行機人間
従順 規律違反

対立の関係なので、空きは簡単に埋めることができます。そして、これによって書かれていない情報(いわゆる行間)を読み取ることができます

この二項対立による書かれている内容を紐解いていく方法は、文章が難解なものになればなるほど、効力を発揮します。正直、難しい問題は二項対立を用いて読み取ろうとしないと解けないと言っても過言ではありません

ちなみに、この整理によって理解が深まるのは対立構造だけではありません。実は類似表現(言い換え表現)についても分かりやすくなります。

上記の場合だと、「対立する意見」の列をよく見てみると、

  • ひっぱられる = 訓練される
  • 自力 = 独力

ということが読み取れます。

まとめ

不思議だと思われるかもしれませんが、なんとなく読むだけでは書かれている内容が分からなくても、論理的に把握しようとすれば、読み取れる情報が整理され、そこから理解が深まり、筆者のイイタイコトを理解することも難しくなくなります

今回、簡単にですが説明した4つのロジック

  • ロジック① 事実と意見
  • ロジック② 抽象と具体
  • ロジック③ 譲歩 ⇒ 逆接 ⇒ 主張
  • ロジック④ 二項対立

これらは、どれも大学受験の現代文の解説本やそれに類する書籍を読むと言及されているものです。
もしされていなければ、その書籍はポイです!

この技能は、大学受験だけでなく、社会活動におけるあらゆることに有効活用できます。理解することにそれほど時間を要するものではないので、習得することはオススメです!

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